Morrowind
かつてNordの第一帝国の一部であったMorrowindは、現在、ダーク・エルフ(彼らの郷土が定期的に灰嵐に覆われているように、その彼らの出自は謎に包まれている)の領土である。野蛮で誇り高いダーク・エルフは、ValenwoodやSummerset
Islesの〔エルフの〕同胞からの接触でさえ、外部の世界との全ての接触を断っている。旅人は、Shadowgate山道を越える際には、自身がTamrielを抜け出て異世界に入り込んだものと信じ得るかも知れない。巨大なVvardenfell火山から噴き出て荒れ狂う灰嵐によって空は定期的に暗む。Tamrielの親しみある植物相と動物相は、定期的な降灰を生き抜き得る奇怪で歪な姿に取って代わる。外套と覆面を纏ったダーク・エルフは巨虫の群を世話している。20フィートの身の丈のカニに似た生物の背に乗り、急使は騒々しい物音を立てながら進んでいる。あちらこちらで、身を縮こまらせている奴隷(Argonian、Khajiit、人間)が、ダーク・エルフの主人が怒鳴る命令を急いで実行している。
灰色の肌と赤色の瞳のダーク・エルフは、灰に沈む奇妙な地域に見事に適合しているようである。彼らはエルフの言葉でDunmerと知られており、現在、Velothi山脈と海域の間の、また、Deshaan平野の南端と北部沿岸の間の、北東Tamrielの広大な範囲に居住している。しかし、MorrowindとDeshaanに広く住む前は、これらの並外れた人々が何処から訪れたのか、彼らの人種と血統は何であるのか、或いは、彼らの元来の故郷は何処であるのか、それらは答えるより問う方が容易な問題である。ダーク・エルフは大変な大昔にエルフ種の源流から別れたに違いない――何故なら、Tamrielの他のエルフと疑い無く同族であるが、ダーク・エルフは多くの点にて(とりわけ、目を惹く外見にて)異なるからである。そのような者を目にするのは極めて少ないことだが、彼らが稀に郷土を立ち去る際は、アッシュ・グレイの肌と燃え立つ赤い瞳はたちまちダーク・エルフをそれと気づかせる。全てのエルフと同じく彼らは長身で痩身が多いが、ダーク・エルフは極度にエルフ的高慢であり、人間のことを、Tearのプランテーションに奴隷として仕えるのみ相応しい、野獣も同然の存在と見做している。
今度ばかりは、私はこの筆者に賛同します。ふんぞり歩いている3人のChap'thilに呼び止められ――あたかも私がDunmerのことを少しも知らないかのように、彼らは私のことを面と向かって「劣種」と呼んで、フル・ネームで呼ぶ程の礼儀さえ持ち合わせていませんでした――私の〔Morrowindに於ける〕滞在は未知の領域という具合でした。その際には、私は口を噤んでいました――昔のようには私は若くないものです、叔父さま。しかし、軽蔑するべき人間の手による〔Dunmerに対する〕罰を私は楽しんでおります。人間による支配の下の季節がDunmerの高慢をほぼ健全と言える程まで和らげるものだろう、と私は何とも考えずには居られません。 |
我々がダーク・エルフについて初めて耳にした際には、彼らは多数の小氏族に分裂しており、それらの半数は他の半数と絶えず争っていた。Nordの英雄伝に於いて、ダーク・エルフの戦士達は、彼らの氏族の敵との戦争に参じたNordの族長の何れに対しても〔忠誠を〕誓っている――それは、疑い無く、Nordによる〔Morrowindの〕征服を助長する状況であった。Nordの第一帝国を崩壊に導いた〈継承戦争〉の頃の、第1紀416年に記された記録にダーク・エルフは姿を現す――「Nordが分裂して弱体化したのを見て取り、Dunmerは内々に相談して彼らの秘密の場所に集合してBorgasの血族に対して策謀して、唐突に蜂起してNordを襲撃すると、彼らを大量虐殺によってDunmerethの地から追放した。」こうして、ダーク・エルフの手によって、人間の第一帝国は終焉を迎えた。それから200年を経ぬ内に、我々はTribunal(Vvardenfellに於ける最初の噴火による廃墟の中から台頭したようである)について初めて耳にした――その噴火によって、少なくともMorrowindの半分が荒野と化して、南方のDeshaan(Black Marshの陰鬱な沼地の中に向け緩やかに傾斜している南部の広大な平野)に至る人々の永年移住が結果した。ともかく、Tribunal信仰の下でダーク・エルフの諸氏族は遂に単一国家に統一した――もっとも、氏族抗争は今日に至るまで痛切に残存しており、諸氏族は全く不承不承ながらに相互に協力している。
グレイト・ハウスとして知られる5つの氏族(Indoril、Redoran、Telvani、Dres、Hlaalu)がMorrowindの政治と交易を完全に支配している――もっとも、更に早い頃は、6つが存在していたようである。各々の大氏族は多数の小氏族と同盟しており、それらの小氏族が忠誠の相手を切り替えたという話は聞かれていないが、その連携は多かれ少なかれ恒久的である。前代では、その諸氏族は剥き出しの戦争によって闘争を遂行していた。これはTribunalの下で禁じられることになったが、Morag Tongという独自の結社(認可されている暗殺者ギルド)を通じて諸氏族は未だ凄惨な内部抗争に従事している。諸氏族は敵を消し去るため恒常的にMorag Tongを雇い入れ、そして、ギルドの曖昧な(しかし厳格な)規律に従う限り、そのMorag Tongの暗殺者は指定された“目標”を懲罰なしに殺し得る。そのような取り決めは帝国市民にとって奇怪にして野蛮であると思われるが、未開のMorrowindの多数の事柄と同様に、それはダーク・エルフの粗野な気質に非常に似つかわしいようである。
ダーク・エルフの奇妙な異教は特筆に価するものである。彼らは“Tribunal”として知られる三神を崇拝しており、これらの神々が大地を闊歩してMorrowindを直接に統治していると信じている。余所者にとって、Tribunalの聖職がMorrowindの真の権力者であるように思われる――これらのTribuneは、かつて存在していたとしても、数世紀の間は目にされてこなかった。各々のTribune(Almalexia、Sotha Sil、Vivekという野蛮な名前で通っている)は、その崇拝に対して奉じられた彼/彼女の名を冠した街と、その各々の街の中の(恐らく神が居住しているであろう)宮殿/寺院を持っている。Tribunal信仰の司祭はMorrowindでは並外れて強大である――麗々しく着飾った司祭の奇妙な行進がその地を歩き回り、Tribunalに仕えるべき新たな候補を選び出し、彼らは抵抗なく捕われ以後は一度たりとも目にされるものではない。 |
叔父さま、Tribunalに関する確かな最新の記録は何なのでしょうか? 私の家庭教師は、彼らの宿命に関する私の質問には、何時でも、「あらゆる神々は耐え忍ぶ」とだけ答えるものでした。Lorkhan信仰が予言している異人とは、Septimのことなのでしょうか? あらゆる兆候はTribunalの力が弛まぬものであることを示しております――もっとも、それは休眠状態ですが。 |
ダーク・エルフの戦士は昆虫の甲殻から作った酷く軽い鎧を好んでおり、クモの絹を精巧に織った外套を上から羽織ってその胴体を幾重にも覆っている。透明な樹脂で作ったゴーグルと共に、至る所に在る灰からターバンは頭と顔を保護している――たっぷりしたズボンと丈の高い靴によって、その服装は完成することになる。こうして奇妙な外見になるものだが、そのような防備なしに頻繁に起こる灰嵐の1つに戸外で初めて遭遇した際には、旅人はこれらの衣服が役に立つのを理解するようになる。戸内では、ダーク・エルフはこれらの外着を脱ぎ捨て、色とりどりの様々な衣服を楽しむものである――巨虫の様々な部位から作った〔着こなしが〕面倒な式服が最高位の人々にとっての名誉である一方、氏族のシンボルがあしらわれたサッシュは一般的である。
名所
Almalexia
Morrowindの最大にして最古の都市であり、その守護女神から名前を取っている。Almalexiaは実に古い街であり、ダーク・エルフに先行するものであるかも知れない。ドワーフの巨大都市の廃墟の上に建設されたことがよく知られている――もっとも、現在の住民はこれを強固に否定している。この地では、Mournhold(その街の中の街)に大きく広がる宮殿/寺院の内に、恐れを知らぬ旅人はTribunal信仰の中心を発見することだろう。当地はダーク・エルフの政治の中枢でもあり、そこでは、Tribunalの司祭が彼らの伝説的神々の名の下に統治を行っている。
Sotha Sil
この真鍮からなるゼンマイ仕掛の都市は多くの物語に語られており、南部Morrowindに在る蒸気を吐き出す沼地の中に隠されており、それは、Tribunalの中でも最も謎めく一員にとっての隠れ家である。たとえこの街が物語や詩歌の外に実在するとしても、しかしながら、その位置に関する確証ある記録は存在していない。
Necrom
“死者の街”Necromは、Tribunal信仰に先行する宗教的伝統を保存している。Morrowindでは、あらゆる氏族のダーク・エルフは数ヶ月に亘り得る厳粛な〔葬〕列に於いて死者を送り出す。本土から隔たるNecromは高い壁と白い塔を具えており、広大な共同墓地という様相である――その印象は、街の中に至る主道を行き交う絶えぬ死者の往来により強められ、その往来は昼と夜を問わず決して止むことない。実際のところ、その街は生命に満ちている――司祭と係員からなる巨大で複雑なヒエラルキーが存在しており、彼らの唯一の職責とは、死後の生活を死者に準備すること、そして、適切な儀式と共に彼らの遺体を地下墓地(街の地下の岩層を蜂の巣状にしてある)の内に安置することである。
Vvardenfell
SeptimはDwemerのアーティファクトについては無知です――何故なのでしょうか? 〔Dwemerのアーティファクトは〕確かに有用な軍事資産です、しかし、Dwemerが魔法抵抗に関して充分な知識を具えていたという、そのような証拠は存在していません――我々が所有するDwemerの戦争機械は、我々の最上級の冶金術〔の戦争機械〕に比べて、通常の変形や地形の影響に対するプロテクションが幾らか多めに施されています。――ResdaynのDwemerの下に在る書庫に何が存在するものでしょうか? Vvardenfell以前の時代、Dunmerの助力を得て〔Dwemerの〕機械工は格段に進歩していたのかも知れません――。 |