Hammerfell


MAP02.GIF - 31,505BYTESHammerfellは、帝国市民がそれをTamrielに於ける謎めいた異国情緒に溢れる西部と見做すにせよ野蛮人と殺人鬼で一杯の極めて騒々しい危険な地域と見做すにせよ、人間の国々に於ける永遠の“外人”である。何れの描写であれ適切であり、そして、その民族すなわち誇り高く野蛮なRedguardに等しく帰し得る。

約三千年前、Yokudaは、その大部分が海に沈む大洪水を被り、その民族はTamrielに移り住むことになった。これらの難民の大半が無人のHerne島に上陸する一方、その残りは引き続き本土に上陸した。このYokuda人の先兵である“戦士の波”すなわちRa Gadaはその地方に殺到すると、彼らの前に立つ獣人やNedicの村人を瞬く間に虐殺・奴隷化していき、Herneで待っている同胞(Na-Totambuすなわち彼らの諸王や支配者達が含まれていた)のために通り道を血で覆った。その荒々しいRa Gadaが音声的にRedguardとなり、それ以来、その名前はTamrielのYokudaという人種を一般に指し示す物として広まったのである。彼らは完全にNedicの人々に取って代わった――彼ら自身の農業と社会は良く組織されており、また、Hammerfellの過酷な環境に対して良く適合していたからである。その〔Nedicの人々に取って代わる〕過程に於いて彼らはNedicの慣習・宗教・言語を大いに自身に取り入れ、その結果たる周辺のBreton諸部族やColovianのCyrodiil人との接触によって、Tamrielに於けるより大きな活動の舞台に至る同化が促進されることになった。Redguardの口語すなわちYokuは、増加してきた外国との貿易や交渉の必要のために、ほぼ完全に〔Nedicの言語に〕取って代わられた。

帝国の未来にとって脅威となる在らゆる災の内で最も恐るべきものは、その属州に於けるRedguardの存在から発生するのです。

第二帝国の地方体制の下に於いて、CyrodiilによるHammerfell行政を支援するため、Redguardの2つの“派閥”が出現した。古代の支配階級であるNa-Totambuは〈君主〉として貴族院の権限を保持することになり、また、大いに賞賛さるべきRa Gadaの戦士は彼らの部族地区を所有する権限が漸やく承認されることになった。この権限の付与はRa Gadaを根本的に変化させ、彼らは自身を〈祖先〉と呼び始め、Tamrielに於ける最初のRedguardという自身の身分を断固として知らしめた。しかしながら、この共和政体は、それを支援するCyrodiil人が充分に強大である期間に於いてのみ継続するものであった。帝国の空位時代の間は、支配権はNa-Totambuによる世襲の君主政体の下に復した。新たな〈高王〉は、彼の玉座をOld Hegatheからより栄えていた〈祖先〉の都市であるSentinel――この時代までには、Iliac湾の交易の3分の1を支配していた――に移す程にまで大胆であった。

ドワーフ

Hammerfellの元来の名称はVolenfellであり、Dwemerの“槌の街”から名づけられており、その廃墟はAlik'r砂浜で半ば海に没していた。伝説によれば、これらのDwemerは、ダーク・エルフとの和平への参加を拒否してResdayn(Morrowind)から亡命したRourken一族であった。こうして、Rourkenの族長は、「それが落ちるだろうところは何処であれ」一族を率いると約束して、Tamrielを横ぎるよう彼の強力な槌Volendrungを投げたのである。この神話の絵画は、Hammerfellの幾つかの廃墟の壁に描かれてあった――金の衣を纏いCyrodiilの森の中を歩く集団脱出のドワーフ達、そして、彼らを急かすように前方の夜空に落ち行く1個の星であるVolendrung。悲しむべきことには、これらの同様の廃墟はTamrielからの謎めいたドワーフ消失(およそ第1紀700年、全土に於いて同様であった)に関して何らの手掛かりも与えないものである。この話題を離れる前に、Dwemerに対してしばしば用いられる誤った名称すなわち“ドワーフ〔小人〕”に関して論じた方が良いだろう。初期のAldmerに比べてDwemerが幾らかなりとも人間よりも背丈が低かった、ということを示唆する物は何も存在しない――事実、現存するドワーフの金鎧は、それを所有する幸運な人間が誰であれ大体のところフィットするのである。古代の驚嘆するべきドワーフの機械装置を帝国が発掘したことによって、Dlyxexicの学説「その概念は不整合を来たすけれど、“深いエルフ”というDwemerの訳語は、むしろ、“賢いエルフ”として解釈されるものであるかも知れない」は支持されることになるものである。また、恐らく、Anuadに於いて言及される巨躯のEhlnofeyにとっての“輝く学者”がドワーフであり、そして、彼らの巨大な主人がこの渾名を彼らに与えたのであるだろう。

人間に特有の論法:たとえ聖なる〈地の骨〉から与えられた名前であるとしても、誇り高いMerは誰であれ、どうして“ドワーフ〔小人〕”を自称するものでしょうか? 彼らは〔肉体の内部に関する〕解剖学に熱心でした――ですから、肉体の外部の事柄に言及できる身長というものは彼らに思い至らないのです。

Thassad2世はこれらの〈高王〉の最後であった――共通紀元862年の彼の死に際して、尊敬さるべき〈祖先〉は武力によってSentinelを奪回したのである。次いで、皇太子A'torは父の仇を討つためStros M'kaiから出帆して、Tamriel史上で最も殺伐たる虐殺の1つを引き起こすことになった。Tiber Septimは、Reman皇朝の後継者としての正当な責務に於いて、〈祖先〉の救援の嘆願に応じて、部下の兵士を派遣して狂気の王子による虐殺に終止符を打った。優れた帝国軍団に対する抵抗は不可能であるとA'torは悟って、また、〈君主〉の多くは再誕帝国の栄光を目にした後では彼の下を去った。西方海軍に執拗に追撃されながらも彼と数少ない忠臣はStros M'kaiに逃げ戻り、その地のHunding湾の戦に於いて完全に敗北した。皇帝は、その知恵に於いて、共和政体の地方領土というHammerfellの秩序回復に責任を受け持つことが最上であると考え、現在、その地では新生Cyrodiil帝国の誇り高い臣民としてRedguardは日々を過ごしているのである。

Redguardの肉体は外人にとって威嚇的で在り得る――黒い肌、縮れ髪、背が高く痩せ型の体格、頑健な体躯。慣習と服装は地域によって異なる――Rihadの或る者は街中で裸になる一方、ElinhirのRedguardは風俗と趣向の点でColovian人である。態度は尊大で容易に激し易く、死ぬまで個人の名誉に敏感である。Hammerfellは帝国の内で最上の戦士の故郷であると広く認められているが、彼らは冷淡な兵士に過ぎず、権威に従うことも軍紀に耐えることも望まず、そのため、紅玉隊に従軍者は殆ど無い。Hammerfellに常備軍は無く、賃金を受け取る義勇軍のみであり、しばしば、国境を接した国々や海岸線に沿った国々と争っている。古代の伝統の故にRedguardは騎士団に向かう傾向が在ったが、もっとも、それは王族の軍務に於ける慣例上の代物である。これらの団に入る者は、危険な死にさえ至る能力試験で自身を証明せねばならない。例えば、〈君主〉たるTotambuの若者は、スカラベ騎士団に加われるようになる前には、Stros M'kaiに在るDwemerの廃墟に船で行き、その死の罠を避け「その機械人間と戦い〔彼らを〕在るべき姿に戻」さねばならない。他方、より厳しいDiagna団は、一年に一度のOrsinium包囲という娯楽を計画するものであり、そこでは、入団者はオークの役を演じねばならないのである……。

Hammerfellの殖民は緩やかに進んだ――その大半は痩せた岩の多い土地であり、広大なAlik'r砂漠は中央に位置しており、僅かな草地はUの字を描き海岸線に沿っているばかりだからである。そうして、Redguardの文化は、一方は国際色の強い沿岸都市の中に、また、他方はその砂漠を放浪する多数の遊牧部族の中に分かれていった。前者は失われたYokudaに由来するモティーフやスタイルに影響を受けたBreton風・帝国風の服装や建築の様式を採用して、また、〈八柱の神々〉という帝国の伝統的神々に適合させるため彼らの神々や部族の霊魂を再編する所さえ在った。Nedicの影響が残っているにせよ或いはYokudaの影響が強固であるにせよ遊牧民は大いに素朴であり、漂流者を他のRedguardの下にまで連れ戻してくれる。蛇神Satakalの熱心な信者は彼らの間に多く在り、歴史的に見て、A'likrと境界を接する諸州に絶えず紛争を引き起こしている。これらの崇敬を集める狂人は、時には危険集団として蜂起してRa Gadaの古い遣り方によって辺境を恐怖に陥れているが、他のRedguardからの寄付に完全に依存している。多くの者達が、Rihadに於けるように裸となって、土の中をウネウネと進み通行人の脚を咬み、あたかも自身が蛇であるかのように“一撃”を加える一方、その他の者達は“脱皮”という凄惨な見世物を演じる。百マイルは続く距離をBalharからNohotogrhaのオアシスまで延々と、彼らがヨコバイガラガラヘビの仕草で砂漠の砂の中をウネウネと進む姿が見られてきたものである。そのような“Satakal達”は一度たりとも帝国の存在を好ましく思わず、最近では市民の召使に嫌がらせを働くようになってきている。守備部隊と地元の市民全員の安全のために、彼らを街の外に追い遣るよう地方総督は余儀なくされてきた。

旅人は、歴史的に見て、彼らの外に在る、Iliac湾に面するRedguardの都市を避けてきた。(ほぼ的を射た)その民族の評判を考えて、Hammerfellは“外人”に対して不寛容であり立ち入りは血で贖われると、しばしば見做されている。これは恥であり、皇帝が改善を求める状況である。何故なら、Hammerfellそれ自体は美しい地方だからである。影が差すAlik'rの神殿の上に昇る双月からOld Hegatheの簡素な城壁まで、その全土は古めかしい壮麗な風采を現しているのである。その民族は粗野である――四百年に亘る内部抗争と腐敗政府がそのように彼らを変えてしまった――が、その各々を見るならば、しばしばRedguardは一人の人間として見事な作品である。A'torの遺物である邪悪な密偵から解放されたHammerfellの舵を取り、近隣のエルフの貪欲から当州を守る帝国の如き導き手である強国ならば、恐らく、その強国が世界に齎そうとするのと同様の繁栄を当州の人々に齎すことだろう。

名所

Sentinel

Hammerfellの第二首都であるSentinelはIliac湾の端に位置している。それが〔農民ではなく〕商人の勢力によることは極めて明白である――岩がちの山道の上に位置しており、また、その背後の不毛な平地は決して良質とは言えない土壌を提供してからAlik'r砂漠の砂の中に走り込むのである。そのメイン・ストリートには、荒地に至る門まで港から延々と広大な市場が広がっている。Sentinel宮殿はRedguardの最古・最大の建築業績であり、Ra Gada旋風の頃にBretonから身を守るため急ごしらえで建て、その後に増築を重ねていったものである。現在、この宮殿は地方総督Senecus Goddkeyの本拠であり、Volag男爵の失踪以後、彼は〈祖先〉の諸公国の統治を援助してきた。帝国風の改変によって、SentinelはDaggerfallやWayrestの貴族にとって異国情緒ある隠居場所となり、彼らは地元の料理と工芸と、また、王立劇場の奇抜な道徳劇を楽しむのである。

Stros M'kai

Blue Divideの北部:私の乗る船は“不休同盟”と自称する海賊によって捕えられました。彼らは貨物室から幾つも(Stros M'kaiの帝国軍に届く筈の武器が満載の)木箱を投げ捨てました。それから、船上の誰も彼もから金品を奪っていきました。もっとも、彼らの頭目はこの私の注釈つき冊子を目にすると、それを私が渡さない積もりであると見て取り言ったのです、「あたかも眠っているかのように、我々は為しても話してもならない」と……??

以前はThassad2世の世継A'torの公国であったStros M'kaiの小島は、Hammerfellの荒々しい南部海岸の警備・警邏の任を負う地方総督Amiel Richtonの仕事場として用いられている。Amiel Richton卿はHunding湾の戦でA'tor王子を破った将校であり、Colovian西方海軍に従軍した英雄の長い列の先頭に立っている。もしもBlue Divide(恐るべきAldmer領が存在する海域)岬に近いという現在のような戦略地点ではないならば、Stros M'kaiそれ自体はDwemerの廃墟だけが名を知られた平凡な小港になるだろう。