これまでの経由についてのざっとした流れです。
2006年3月、TESシリーズ最新作のThe Elder Scrolls IV: Oblivionが発売されました。
発売前から期待の高かったこのタイトルに対し、日本の有志たちによって日本語による情報交換用Wikiが作られたのが2006年の3月26日。そして、そこからスピンアウトする形で日本語化プロジェクトが立ち上がり、専用のWikiが2006年の5月20日に作られました。
その後一年とちょっと、地道ながらも翻訳作業は進み、現在、本編に関しては翻訳作業はほとんど完成、ゴールが見えてきている状態です。拡張パックのKoNやSIに関しても、ぼちぼち翻訳が始まっているところです。
Wikiでの日本語化プロジェクトとは別の形で、メーカーによる正式なローカライズを要望する運動が、たのみこむを中心に2006年7月から展開されました。
テキスト量の膨大さと日本市場の小ささ、また前作であるMorrowindの前例から、正式なローカライズは難しいだろうと思われましたが、2006年の12月、株式会社スパイク(以下スパイク)によりXBOX360版のローカライズが進行中であることがファミ通経由で発表されます(私事ですが、この日生まれて初めてファミ通を買いました)。
その後2007年4月、正式な発売日(2007.07.26)が発表され、6月始めには公式サイトでの日本語版のスクリーンショットの掲載なども始まり、発売は秒読み状態と入ります。
2007年6月14日、4gamerにて、2008年春以降という留保つきながら、スパイクによる日本語化MODが無料で公開されるという発表がありました。
これは日本のゲームローカライズ史上前例を見ない決断です。このような事態を予想できた人は、ほんの少し前まで、誰一人いなかったと思います。
Oblivionというゲームへの愛着と、日本のユーザコミュニティに対する理解がなければ、このような英断は到底できなかったでしょう。スパイクの皆様には心から深く感謝します。
今まで、有志による日本語化MOD(以下有志MOD)と、スパイクによるローカライズは、PCとXBOX360というプラットフォームの違いもあり、お互い接点を持たずにいました。「PCで日本語版やるなら有志MOD、XBOX360で日本語版やるならスパイクのローカライズ」という流れが、なんとなく出来ていたかと思います。
しかしながら、スパイクによるローカライズMOD(以下スパイクMOD)がPC版にも用意されるという事で、いくつか考えなければならない問題が出てきたのも事実です。
具体的には、以下の問題をどうするか、考えていかないといけないでしょう。