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Shivering Isles/Books/SEBookTheLiturgyofAffliction
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SEBookTheLiturgyofAffliction
//=================================== // Format_ver:0.0.1 (2008-01-01) // // 【解説】 // ・この部分は書物翻訳時に自動的に読み込まれるテンプレート記載のヘッダです。 // ・翻訳ページ作成時も削除しない事を推奨します // // 【記述ガイド】 // ・#preの後の中括弧({と})のセット間に原文/訳文をタグが付いたまま // コピペすると編集上も表示上も便利です // // 【注意】 // ・本文部分を囲む#pre記述ですが、原文と訳文を囲む中括弧は // 『原文は3つづつ、訳文は4つづつ』 // になっている事に注意して下さい。これはMod作成時に // 正規表現で本文(訳文)を抽出するのに便利故です。 // ・訳文で半角スペースを表現したいときはアンダースコア(_)に置き換えてください // ・半角スペースを記述するとそこで改行扱いになるので注意して下さい // ・新しい訳を行う場合は古い訳の下に同じ書式で加えていくようにして下さい //=================================== *題名 [#name] **原題 [#name_en] -The Liturgy of Affliction **訳題 [#name_ja] -【訳題記述エリア】 *本文 [#text] **原文 [#text_en] // 注意:訳文の部分は中括弧({と})が3つづつ。 #pre{{{ <font face=1>The Liturgy of Affliction: A Collection Of The Writings Of Vexis Velruan<br> Transcribed by Anias Gael<br> <br> Dearest reader, the tome that you hold in your hand is a chronicle of pain, of torment, and of discovery. In these memoirs, I shall impart to you an autobiography of a foolish and failed attempt to achieve a great power. Walk with me as I break the bonds of propriety, throw off the restraints of the ancient laws of the arcane, and cast aside the bonds of magical ethics. For contained herein, you shall find the dying words of Vexis Velruan.<br> <br> Let it be known to you, loyal reader, that I remain until my dying moment, a student of Magicka. But no typical apprentice, am I. I am one who has forged a unique path to the deeper understanding of the mechanics of Magicka. Through the infliction of destruction magic upon my own flesh, I have accomplished more than any student before me has. <br> <br> It is by that folly that I come to you now, lucid as ever, fully alert in my faculties, and acutely cognizant of the sacrifices that I have made in my quest. I have long since lost the capacity to feel any physical sensation beyond absolute agony. I've become so accustomed to it, so detached from the feeling, that to me, pain is simply always there. You do not think of the air around you as a sensation, do you?<br> <br> How is it, you ask, that I came to be what I am? It began innocently enough. I was once a healer, one of the most promising students of the temple. Which one? It doesn't matter. I was eventually expelled. Fools. You see, we had a number of patients interred in our humble sanctuary who had been infected with the Red Fever. My attempts to use the magical arts to turn the disease on itself were less than successful in their early stages. For trying to find a cure, I was cast out.<br> <br> It was not long after my exile that I discovered the means to eradicate infection using the destructive energies of magicka. In my explorations of the school of Destruction I discovered that by pulling the elemental energies through my own body, I was able to increase the raw output of energy. From the experience of a lighting bolt surging through my own body, I was able to deepen my understanding of the raw forces of magicka. <br> <br> At first, the pain was bearable. I directed only a minor amount of the energy back in towards myself. I learned to couple the destruction with restorative energies. It helped to abate the damage done to my body, but did nothing to stop the pain itself. <br> <br> As my tolerance for the pain increased, I began to channel more and more through my own body. My understanding of Destruction outgrew my knowledge of Restoration. While it could still lessen the damage, it could not stop it. My skin became charred and blackened; it dried, flaked off, and cracked. I stunk of cooked meat. But I could not resist the draw of more and more energy. <br> <br> I became like a skooma fiend of the worst sort. I no longer used magic for any practical purpose. I simply sought out more and more energy -- I relished the pain. Anticipated the moment when the energy and the pain would wash over me as one, freezing my flesh, burning it beyond recognition. My skin became a network of scars, sores, lesions, and burns. But it was never enough. Never. I needed more. More pain. More power. <br> <br> I lost my sight. My eyes melted into boiling pools of vitreous humor so hot that they left streaks of blistered skin as they ran down my face like burning tears. My right hand froze solid and shattered into a thousand pieces, when I carelessly bashed it against a doorjamb in terror, once I realized what had happened. The bones of both my legs shattered outward like broken glass, shredding the flesh and muscle surrounding them.<br> <br> While this may sound like a fate of terrible consequence, my dearest reader, I can assure you that you will never know what it is to be a creature of flesh and bone like I have. You will never have the degree of knowledge of frailty of the flesh that I have grown to know. I achieved a level of understanding of Magicka beyond that of the grand masters of the guild, but that accomplishment pales in comparison to the grander discoveries that this experience has bestowed upon me. <br> <br> People like you think that pain is to be avoided. Hidden from. Feared. Through my suffering and the numbness that now robs me of the ability to feel it, I can say this to you: Pain is a simple factor of human existence. It affords us the opportunity to feel -- to appreciate the temporary shell that our spirits occupy. Pain is the greatest gift that the gods have ever given mortal man. <br> <br> And now, as I tell you this story by way of a scribe, I am a stump of a man, wrapped in seeping bandages, never to know pleasure again. Even still, I have but one message to impart to you: Embrace what you are.<br> <br> Glory to lord Sheogorath, for he has opened my eyes. }}} **訳文 [#text_ja] // 注意:訳文の部分は中括弧({と})が原文部分と異なり4つづつ。 #pre{{{{ <font face=1>The Liturgy of Affliction(苦痛の儀式): A Collection Of The Writings Of Vexis Velruan(Vexis Velruan著作集)<br> 写字:Anias Gael<br> <br> 親愛なる読者どのへ。今、あなたが手にしている冊子は一つの記録文である。痛みがあり、苦しみがあり、そして発見があった。記憶の引き出しからこれら一連の思い出を取り出し、とある男の挑戦と失敗の人生を描き出してご覧に入れようと思う。それは、大いなる力を獲得せんがための、愚かな試みであった。ここから先、私は礼節をかなぐり捨て、小難しい古代法のくびきを解き、魔術倫理の戒めを破って筆を進めるつもりだ。あなたにもその覚悟でついて来て欲しい。このVexis Velruan、最期の言葉をここに綴っていこう。<br> <br> 誠実なる読者どのへ。どうかこれだけは知っていて欲しい。私は死が訪れる最後の瞬間までMagickaの探求者であり続けた。とは言っても所謂一般の学徒などではない。Magickaの仕組みを理解する為、独特の手法を確立したのだ。鍵となったのは苦痛である。破壊魔法で自分自身の肉体を苛む事によって、他のどの先達よりも大きな成果を上げる事に成功した。<br> <br> 愚行かも知れない。だが、今こうやってあなたに語りかける事が出来るのも、その愚行があってこそだ。思考はこの上なく明晰となり、あらゆる能力の充実を感じる。もちろん、探求の為に支払った代償についてもよくよく理解しているつもりだ。絶対的な苦痛以外、何も感じられなくなってから久しい。もはや馴れ過ぎてしまい、何の感慨も無くなった。苦痛はいつもただそこに存在するだけの、ありふれたものであった。周囲の空気についてあれこれ思い悩む人がいるだろうか?それと同じことだ。 <br> どうしてそんな事に?今までに何があったのか?と疑問に思うかもしれない。事の始まりは本当に罪の無いものだった。かつて私はとある寺院に籍を置く治療師であり、将来を嘱望されていた。どの宗派だったのかなど、どうでもいい事だ。そして最終的に追放された。馬鹿どもめ…。その頃、私達は粗末な教会に大量のRed Fever患者を抱え、日々埋葬にいそしんだ。私は魔法を駆使して病気そのものを撃退しようと試みたが、病状の初期段階においてさえ成果を上げる事は出来なかった。それで、治療法を求めた私は教会を飛び出したのだ。<br> <br> 感染症を撲滅する手段を魔法の破壊力の中に見出したのは、放浪の旅を始めてからまだ日が浅い頃の事であった。Destruction系統の研究を通し、四大元素の力を自分の肉体に引き寄せる事で、未定義な魔力の放出量を増加させられるという事が解明された。身体にlighting boltを通過させる体験を通して、未定義の魔力に対する理解を深める事が出来たのだ。<br> <br> 最初の頃は、まだ我慢できる痛みだった。自分自身に向ける魔力もわずかであった。破壊魔法の中に回復魔法を織り交ぜる方法を編み出したおかげで肉体の損傷こそ和らげる事が出来たが、痛み自体は変わらず残り続けた。<br> <br> 痛みへの耐性が増すにつれ、身体を貫く魔力の量も日に日に多くなった。Destructionへの理解はRestorationのそれを凌駕していった。Restorationはいまだに怪我を和らげるのに役立ってくれてはいたが、完治させるまでには至らなかった。炭化した皮膚は黒ずんだ色となり、乾燥し、ひび割れてはポロポロと剥がれ落ちた。私の周囲には焼けた肉の匂いが充満していた。しかし、それでもより多くの魔力を引き出す試みは、私自身、止められなかったのである。<br> <br> ついにはskooma常習者(それも最悪の部類の!)のようになった。すでに実用的な用途で魔法を使う事も無くなった。ただひたすらに、より多くの魔力を引き出す術を求め…そして痛みを堪能した。自分の体に痛みと魔力が押し寄せるのを心待ちにした。凍りつくような冷気、皮膚が原形を留めぬほどの焦熱、そういったものを待望したのだ。そのうち私の皮膚には大小さまざまな傷とやけどと病斑とが網の目状に拡がるようになった。しかしそれでもまだ足りなかった。私にはより多くが必要だったのだ。より多くの苦痛とより多くの魔力を、私は望んだ。<br> <br> やがて視力を失った。水晶体が沸騰し、焼けただれた皮膚はまるで燃える涙のように顔をつたって落ちた。右手は硬く凍り、粉々に砕け散った。慌てていて、不注意でドア枠にぶつけてしまった時だった。何が起きたのか把握できたのは、事が済んでからであった。そして両脚の骨は割れたガラスのように散り散りになり、周囲の脂肪と筋肉を傷つけ切り裂いた。<br> <br> 敬愛する読者どのへ。私がこれまで書き綴ってきた一連の出来事は、おそろしげに聞こえるかも知れない。肉と骨がこのような状態になった生き物の暮らしがどんなものか、想像もつかない事だろうと思う。また、肉体というものの脆さに対する理解の点でも、あなたが私の到達点を超える事は決してない。すでに私のMagickaに対する洞察は、ギルドのグランドマスターに匹敵している。しかしそれがどうした。そんな洞察など、この経験が私にもたらしてくれたより偉大な発見と比べれば、霞んでしまう程度のものでしかない。<br> <br> あなた方のような人々は苦痛を避けるべきものと考える。直視するのを避け、恐れる。私は苦悶と無感覚の繰り返しによって、苦痛を感じられなくなってしまった。私にはあなたにはこの言葉を贈る資格がある。苦痛とは単に人間の実存にとっての一因子であり、魂の仮住まいである肉体という名の貝殻の存在を我々に感じさせ、認識させるものであると。そして痛みこそ、神々が定命の人類に与え給うた最上の贈り物なのだと。<br> <br> この物語を書き写しで提供している事から想像できる通り、今や私は植物人間である。体液の染みた包帯に巻かれ、二度と楽しみを得る事もない。だが、それでもなお、私からあなたにはこう伝えなければならない。自分自身と向き合うのだ、と。<br> <br> Lord Sheograthに栄光あれ。主は開眼をもたらし給うた。 }}}} #pre{{{{ <font face=1>The Liturgy of Affliction(苦痛の儀式): A Collection Of The Writings Of Vexis Velruan(Vexis Velruan著作集)<br> 写字:Anias Gael<br> <br> 親愛なる読者どのへ。今、あなたが手にしている冊子は一つの記録文である。痛みがあり、苦しみがあり、そして発見があった。記憶の引き出しからこれら一連の思い出を取り出し、とある男の挑戦と失敗の人生を描き出してご覧に入れようと思う。それは、大いなる力を獲得せんがための、愚かな試みであった。ここから先、私は礼節をかなぐり捨て、小難しい古代法のくびきを解き、魔術倫理の戒めを破って筆を進めるつもりだ。あなたにもその覚悟でついて来て欲しい。このVexis Velruan、最期の言葉をここに綴っていこう。<br> <br> 誠実なる読者どのへ。どうかこれだけは知っていて欲しい。私は死が訪れる最後の瞬間までMagickaの探求者であり続けた。とは言っても所謂一般の学徒などではない。Magickaの仕組みを理解する為、独特の手法を確立したのだ。鍵となったのは苦痛である。破壊魔法で自分自身の肉体を苛む事によって、他のどの先達よりも大きな成果を上げる事に成功した。<br> <br> 愚行かも知れない。だが、今こうやってあなたに語りかける事が出来るのも、その愚行があってこそだ。思考はこの上なく明晰となり、あらゆる能力の充実を感じる。もちろん、探求の為に支払った代償についてもよくよく理解しているつもりだ。絶対的な苦痛以外、何も感じられなくなってから久しい。もはや馴れ過ぎてしまい、何の感慨も無くなった。苦痛はいつもただそこに存在するだけの、ありふれたものであった。周囲の空気についてあれこれ思い悩む人がいるだろうか?それと同じことだ。<br> <br> どうしてそんな事に?今までに何があったのか?と疑問に思うかもしれない。事の始まりは本当に罪の無いものだった。かつて私はとある寺院に籍を置く治療師であり、将来を嘱望されていた。どの宗派だったのかなど、どうでもいい事だ。そして最終的に追放された。馬鹿どもめ…。その頃、私達は粗末な教会に大量のRed Fever患者を抱え、日々埋葬にいそしんだ。私は魔法を駆使して病気そのものを撃退しようと試みたが、病状の初期段階においてさえ成果を上げる事は出来なかった。それで、治療法を求めた私は教会を飛び出したのだ。<br> <br> 感染症を撲滅する手段を魔法の破壊力の中に見出したのは、放浪の旅を始めてからまだ日が浅い頃の事であった。Destruction系統の研究を通し、四大元素の力を自分の肉体に引き寄せる事で、未定義な魔力の放出量を増加させられるという事が解明された。身体にlighting boltを通過させる体験を通して、未定義の魔力に対する理解を深める事が出来たのだ。<br> <br> 最初の頃は、まだ我慢できる痛みだった。自分自身に向ける魔力もわずかであった。破壊魔法の中に回復魔法を織り交ぜる方法を編み出したおかげで肉体の損傷こそ和らげる事が出来たが、痛み自体は変わらず残り続けた。<br> <br> 痛みへの耐性が増すにつれ、身体を貫く魔力の量も日に日に多くなった。Destructionへの理解はRestorationのそれを凌駕していった。Restorationはいまだに怪我を和らげるのに役立ってくれてはいたが、完治させるまでには至らなかった。炭化した皮膚は黒ずんだ色となり、乾燥し、ひび割れてはポロポロと剥がれ落ちた。私の周囲には焼けた肉の匂いが充満していた。しかし、それでもより多くの魔力を引き出す試みは、私自身、止められなかったのである。<br> <br> ついにはskooma常習者(それも最悪の部類の!)のようになった。すでに実用的な用途で魔法を使う事も無くなった。ただひたすらに、より多くの魔力を引き出す術を求め…そして痛みを堪能した。自分の体に痛みと魔力が押し寄せるのを心待ちにした。凍りつくような冷気、皮膚が原形を留めぬほどの焦熱、そういったものを待望したのだ。そのうち私の皮膚には大小さまざまな傷とやけどと病斑とが網の目状に拡がるようになった。しかしそれでもまだ足りなかった。私にはより多くが必要だったのだ。より多くの苦痛とより多くの魔力を、私は望んだ。<br> <br> やがて視力を失った。水晶体が沸騰し、焼けただれた皮膚はまるで燃える涙のように顔をつたって落ちた。右手は硬く凍り、粉々に砕け散った。慌てていて、不注意でドア枠にぶつけてしまった時だった。何が起きたのか把握できたのは、事が済んでからであった。そして両脚の骨は割れたガラスのように散り散りになり、周囲の脂肪と筋肉を傷つけ切り裂いた。<br> <br> 敬愛する読者どのへ。私がこれまで書き綴ってきた一連の出来事は、おそろしげに聞こえるかも知れない。肉と骨がこのような状態になった生き物の暮らしがどんなものか、想像もつかない事だろうと思う。また、肉体というものの脆さに対する理解の点でも、あなたが私の到達点を超える事は決してない。すでに私のMagickaに対する洞察は、ギルドのグランドマスターに匹敵している。しかしそれがどうした。そんな洞察など、この経験が私にもたらしてくれたより偉大な発見と比べれば、霞んでしまう程度のものでしかない。<br> <br> あなた方のような人々は苦痛を避けるべきものと考える。直視するのを避け、恐れる。私は苦悶と無感覚の繰り返しによって、苦痛を感じられなくなってしまった。私にはあなたにはこの言葉を贈る資格がある。苦痛とは単に人間の実存にとっての一因子であり、魂の仮住まいである肉体という名の貝殻の存在を我々に感じさせ、認識させるものであると。そして痛みこそ、神々が定命の人類に与え給うた最上の贈り物なのだと。<br> <br> この物語を書き写しで提供している事から想像できる通り、今や私は植物人間である。体液の染みた包帯に巻かれ、二度と楽しみを得る事もない。だが、それでもなお、私からあなたにはこう伝えなければならない。自分自身と向き合うのだ、と。<br> <br> Lord Sheograthに栄光あれ。主は開眼をもたらし給うた。 }}}}
//=================================== // Format_ver:0.0.1 (2008-01-01) // // 【解説】 // ・この部分は書物翻訳時に自動的に読み込まれるテンプレート記載のヘッダです。 // ・翻訳ページ作成時も削除しない事を推奨します // // 【記述ガイド】 // ・#preの後の中括弧({と})のセット間に原文/訳文をタグが付いたまま // コピペすると編集上も表示上も便利です // // 【注意】 // ・本文部分を囲む#pre記述ですが、原文と訳文を囲む中括弧は // 『原文は3つづつ、訳文は4つづつ』 // になっている事に注意して下さい。これはMod作成時に // 正規表現で本文(訳文)を抽出するのに便利故です。 // ・訳文で半角スペースを表現したいときはアンダースコア(_)に置き換えてください // ・半角スペースを記述するとそこで改行扱いになるので注意して下さい // ・新しい訳を行う場合は古い訳の下に同じ書式で加えていくようにして下さい //=================================== *題名 [#name] **原題 [#name_en] -The Liturgy of Affliction **訳題 [#name_ja] -【訳題記述エリア】 *本文 [#text] **原文 [#text_en] // 注意:訳文の部分は中括弧({と})が3つづつ。 #pre{{{ <font face=1>The Liturgy of Affliction: A Collection Of The Writings Of Vexis Velruan<br> Transcribed by Anias Gael<br> <br> Dearest reader, the tome that you hold in your hand is a chronicle of pain, of torment, and of discovery. In these memoirs, I shall impart to you an autobiography of a foolish and failed attempt to achieve a great power. Walk with me as I break the bonds of propriety, throw off the restraints of the ancient laws of the arcane, and cast aside the bonds of magical ethics. For contained herein, you shall find the dying words of Vexis Velruan.<br> <br> Let it be known to you, loyal reader, that I remain until my dying moment, a student of Magicka. But no typical apprentice, am I. I am one who has forged a unique path to the deeper understanding of the mechanics of Magicka. Through the infliction of destruction magic upon my own flesh, I have accomplished more than any student before me has. <br> <br> It is by that folly that I come to you now, lucid as ever, fully alert in my faculties, and acutely cognizant of the sacrifices that I have made in my quest. I have long since lost the capacity to feel any physical sensation beyond absolute agony. I've become so accustomed to it, so detached from the feeling, that to me, pain is simply always there. You do not think of the air around you as a sensation, do you?<br> <br> How is it, you ask, that I came to be what I am? It began innocently enough. I was once a healer, one of the most promising students of the temple. Which one? It doesn't matter. I was eventually expelled. Fools. You see, we had a number of patients interred in our humble sanctuary who had been infected with the Red Fever. My attempts to use the magical arts to turn the disease on itself were less than successful in their early stages. For trying to find a cure, I was cast out.<br> <br> It was not long after my exile that I discovered the means to eradicate infection using the destructive energies of magicka. In my explorations of the school of Destruction I discovered that by pulling the elemental energies through my own body, I was able to increase the raw output of energy. From the experience of a lighting bolt surging through my own body, I was able to deepen my understanding of the raw forces of magicka. <br> <br> At first, the pain was bearable. I directed only a minor amount of the energy back in towards myself. I learned to couple the destruction with restorative energies. It helped to abate the damage done to my body, but did nothing to stop the pain itself. <br> <br> As my tolerance for the pain increased, I began to channel more and more through my own body. My understanding of Destruction outgrew my knowledge of Restoration. While it could still lessen the damage, it could not stop it. My skin became charred and blackened; it dried, flaked off, and cracked. I stunk of cooked meat. But I could not resist the draw of more and more energy. <br> <br> I became like a skooma fiend of the worst sort. I no longer used magic for any practical purpose. I simply sought out more and more energy -- I relished the pain. Anticipated the moment when the energy and the pain would wash over me as one, freezing my flesh, burning it beyond recognition. My skin became a network of scars, sores, lesions, and burns. But it was never enough. Never. I needed more. More pain. More power. <br> <br> I lost my sight. My eyes melted into boiling pools of vitreous humor so hot that they left streaks of blistered skin as they ran down my face like burning tears. My right hand froze solid and shattered into a thousand pieces, when I carelessly bashed it against a doorjamb in terror, once I realized what had happened. The bones of both my legs shattered outward like broken glass, shredding the flesh and muscle surrounding them.<br> <br> While this may sound like a fate of terrible consequence, my dearest reader, I can assure you that you will never know what it is to be a creature of flesh and bone like I have. You will never have the degree of knowledge of frailty of the flesh that I have grown to know. I achieved a level of understanding of Magicka beyond that of the grand masters of the guild, but that accomplishment pales in comparison to the grander discoveries that this experience has bestowed upon me. <br> <br> People like you think that pain is to be avoided. Hidden from. Feared. Through my suffering and the numbness that now robs me of the ability to feel it, I can say this to you: Pain is a simple factor of human existence. It affords us the opportunity to feel -- to appreciate the temporary shell that our spirits occupy. Pain is the greatest gift that the gods have ever given mortal man. <br> <br> And now, as I tell you this story by way of a scribe, I am a stump of a man, wrapped in seeping bandages, never to know pleasure again. Even still, I have but one message to impart to you: Embrace what you are.<br> <br> Glory to lord Sheogorath, for he has opened my eyes. }}} **訳文 [#text_ja] // 注意:訳文の部分は中括弧({と})が原文部分と異なり4つづつ。 #pre{{{{ <font face=1>The Liturgy of Affliction(苦痛の儀式): A Collection Of The Writings Of Vexis Velruan(Vexis Velruan著作集)<br> 写字:Anias Gael<br> <br> 親愛なる読者どのへ。今、あなたが手にしている冊子は一つの記録文である。痛みがあり、苦しみがあり、そして発見があった。記憶の引き出しからこれら一連の思い出を取り出し、とある男の挑戦と失敗の人生を描き出してご覧に入れようと思う。それは、大いなる力を獲得せんがための、愚かな試みであった。ここから先、私は礼節をかなぐり捨て、小難しい古代法のくびきを解き、魔術倫理の戒めを破って筆を進めるつもりだ。あなたにもその覚悟でついて来て欲しい。このVexis Velruan、最期の言葉をここに綴っていこう。<br> <br> 誠実なる読者どのへ。どうかこれだけは知っていて欲しい。私は死が訪れる最後の瞬間までMagickaの探求者であり続けた。とは言っても所謂一般の学徒などではない。Magickaの仕組みを理解する為、独特の手法を確立したのだ。鍵となったのは苦痛である。破壊魔法で自分自身の肉体を苛む事によって、他のどの先達よりも大きな成果を上げる事に成功した。<br> <br> 愚行かも知れない。だが、今こうやってあなたに語りかける事が出来るのも、その愚行があってこそだ。思考はこの上なく明晰となり、あらゆる能力の充実を感じる。もちろん、探求の為に支払った代償についてもよくよく理解しているつもりだ。絶対的な苦痛以外、何も感じられなくなってから久しい。もはや馴れ過ぎてしまい、何の感慨も無くなった。苦痛はいつもただそこに存在するだけの、ありふれたものであった。周囲の空気についてあれこれ思い悩む人がいるだろうか?それと同じことだ。 <br> どうしてそんな事に?今までに何があったのか?と疑問に思うかもしれない。事の始まりは本当に罪の無いものだった。かつて私はとある寺院に籍を置く治療師であり、将来を嘱望されていた。どの宗派だったのかなど、どうでもいい事だ。そして最終的に追放された。馬鹿どもめ…。その頃、私達は粗末な教会に大量のRed Fever患者を抱え、日々埋葬にいそしんだ。私は魔法を駆使して病気そのものを撃退しようと試みたが、病状の初期段階においてさえ成果を上げる事は出来なかった。それで、治療法を求めた私は教会を飛び出したのだ。<br> <br> 感染症を撲滅する手段を魔法の破壊力の中に見出したのは、放浪の旅を始めてからまだ日が浅い頃の事であった。Destruction系統の研究を通し、四大元素の力を自分の肉体に引き寄せる事で、未定義な魔力の放出量を増加させられるという事が解明された。身体にlighting boltを通過させる体験を通して、未定義の魔力に対する理解を深める事が出来たのだ。<br> <br> 最初の頃は、まだ我慢できる痛みだった。自分自身に向ける魔力もわずかであった。破壊魔法の中に回復魔法を織り交ぜる方法を編み出したおかげで肉体の損傷こそ和らげる事が出来たが、痛み自体は変わらず残り続けた。<br> <br> 痛みへの耐性が増すにつれ、身体を貫く魔力の量も日に日に多くなった。Destructionへの理解はRestorationのそれを凌駕していった。Restorationはいまだに怪我を和らげるのに役立ってくれてはいたが、完治させるまでには至らなかった。炭化した皮膚は黒ずんだ色となり、乾燥し、ひび割れてはポロポロと剥がれ落ちた。私の周囲には焼けた肉の匂いが充満していた。しかし、それでもより多くの魔力を引き出す試みは、私自身、止められなかったのである。<br> <br> ついにはskooma常習者(それも最悪の部類の!)のようになった。すでに実用的な用途で魔法を使う事も無くなった。ただひたすらに、より多くの魔力を引き出す術を求め…そして痛みを堪能した。自分の体に痛みと魔力が押し寄せるのを心待ちにした。凍りつくような冷気、皮膚が原形を留めぬほどの焦熱、そういったものを待望したのだ。そのうち私の皮膚には大小さまざまな傷とやけどと病斑とが網の目状に拡がるようになった。しかしそれでもまだ足りなかった。私にはより多くが必要だったのだ。より多くの苦痛とより多くの魔力を、私は望んだ。<br> <br> やがて視力を失った。水晶体が沸騰し、焼けただれた皮膚はまるで燃える涙のように顔をつたって落ちた。右手は硬く凍り、粉々に砕け散った。慌てていて、不注意でドア枠にぶつけてしまった時だった。何が起きたのか把握できたのは、事が済んでからであった。そして両脚の骨は割れたガラスのように散り散りになり、周囲の脂肪と筋肉を傷つけ切り裂いた。<br> <br> 敬愛する読者どのへ。私がこれまで書き綴ってきた一連の出来事は、おそろしげに聞こえるかも知れない。肉と骨がこのような状態になった生き物の暮らしがどんなものか、想像もつかない事だろうと思う。また、肉体というものの脆さに対する理解の点でも、あなたが私の到達点を超える事は決してない。すでに私のMagickaに対する洞察は、ギルドのグランドマスターに匹敵している。しかしそれがどうした。そんな洞察など、この経験が私にもたらしてくれたより偉大な発見と比べれば、霞んでしまう程度のものでしかない。<br> <br> あなた方のような人々は苦痛を避けるべきものと考える。直視するのを避け、恐れる。私は苦悶と無感覚の繰り返しによって、苦痛を感じられなくなってしまった。私にはあなたにはこの言葉を贈る資格がある。苦痛とは単に人間の実存にとっての一因子であり、魂の仮住まいである肉体という名の貝殻の存在を我々に感じさせ、認識させるものであると。そして痛みこそ、神々が定命の人類に与え給うた最上の贈り物なのだと。<br> <br> この物語を書き写しで提供している事から想像できる通り、今や私は植物人間である。体液の染みた包帯に巻かれ、二度と楽しみを得る事もない。だが、それでもなお、私からあなたにはこう伝えなければならない。自分自身と向き合うのだ、と。<br> <br> Lord Sheograthに栄光あれ。主は開眼をもたらし給うた。 }}}} #pre{{{{ <font face=1>The Liturgy of Affliction(苦痛の儀式): A Collection Of The Writings Of Vexis Velruan(Vexis Velruan著作集)<br> 写字:Anias Gael<br> <br> 親愛なる読者どのへ。今、あなたが手にしている冊子は一つの記録文である。痛みがあり、苦しみがあり、そして発見があった。記憶の引き出しからこれら一連の思い出を取り出し、とある男の挑戦と失敗の人生を描き出してご覧に入れようと思う。それは、大いなる力を獲得せんがための、愚かな試みであった。ここから先、私は礼節をかなぐり捨て、小難しい古代法のくびきを解き、魔術倫理の戒めを破って筆を進めるつもりだ。あなたにもその覚悟でついて来て欲しい。このVexis Velruan、最期の言葉をここに綴っていこう。<br> <br> 誠実なる読者どのへ。どうかこれだけは知っていて欲しい。私は死が訪れる最後の瞬間までMagickaの探求者であり続けた。とは言っても所謂一般の学徒などではない。Magickaの仕組みを理解する為、独特の手法を確立したのだ。鍵となったのは苦痛である。破壊魔法で自分自身の肉体を苛む事によって、他のどの先達よりも大きな成果を上げる事に成功した。<br> <br> 愚行かも知れない。だが、今こうやってあなたに語りかける事が出来るのも、その愚行があってこそだ。思考はこの上なく明晰となり、あらゆる能力の充実を感じる。もちろん、探求の為に支払った代償についてもよくよく理解しているつもりだ。絶対的な苦痛以外、何も感じられなくなってから久しい。もはや馴れ過ぎてしまい、何の感慨も無くなった。苦痛はいつもただそこに存在するだけの、ありふれたものであった。周囲の空気についてあれこれ思い悩む人がいるだろうか?それと同じことだ。<br> <br> どうしてそんな事に?今までに何があったのか?と疑問に思うかもしれない。事の始まりは本当に罪の無いものだった。かつて私はとある寺院に籍を置く治療師であり、将来を嘱望されていた。どの宗派だったのかなど、どうでもいい事だ。そして最終的に追放された。馬鹿どもめ…。その頃、私達は粗末な教会に大量のRed Fever患者を抱え、日々埋葬にいそしんだ。私は魔法を駆使して病気そのものを撃退しようと試みたが、病状の初期段階においてさえ成果を上げる事は出来なかった。それで、治療法を求めた私は教会を飛び出したのだ。<br> <br> 感染症を撲滅する手段を魔法の破壊力の中に見出したのは、放浪の旅を始めてからまだ日が浅い頃の事であった。Destruction系統の研究を通し、四大元素の力を自分の肉体に引き寄せる事で、未定義な魔力の放出量を増加させられるという事が解明された。身体にlighting boltを通過させる体験を通して、未定義の魔力に対する理解を深める事が出来たのだ。<br> <br> 最初の頃は、まだ我慢できる痛みだった。自分自身に向ける魔力もわずかであった。破壊魔法の中に回復魔法を織り交ぜる方法を編み出したおかげで肉体の損傷こそ和らげる事が出来たが、痛み自体は変わらず残り続けた。<br> <br> 痛みへの耐性が増すにつれ、身体を貫く魔力の量も日に日に多くなった。Destructionへの理解はRestorationのそれを凌駕していった。Restorationはいまだに怪我を和らげるのに役立ってくれてはいたが、完治させるまでには至らなかった。炭化した皮膚は黒ずんだ色となり、乾燥し、ひび割れてはポロポロと剥がれ落ちた。私の周囲には焼けた肉の匂いが充満していた。しかし、それでもより多くの魔力を引き出す試みは、私自身、止められなかったのである。<br> <br> ついにはskooma常習者(それも最悪の部類の!)のようになった。すでに実用的な用途で魔法を使う事も無くなった。ただひたすらに、より多くの魔力を引き出す術を求め…そして痛みを堪能した。自分の体に痛みと魔力が押し寄せるのを心待ちにした。凍りつくような冷気、皮膚が原形を留めぬほどの焦熱、そういったものを待望したのだ。そのうち私の皮膚には大小さまざまな傷とやけどと病斑とが網の目状に拡がるようになった。しかしそれでもまだ足りなかった。私にはより多くが必要だったのだ。より多くの苦痛とより多くの魔力を、私は望んだ。<br> <br> やがて視力を失った。水晶体が沸騰し、焼けただれた皮膚はまるで燃える涙のように顔をつたって落ちた。右手は硬く凍り、粉々に砕け散った。慌てていて、不注意でドア枠にぶつけてしまった時だった。何が起きたのか把握できたのは、事が済んでからであった。そして両脚の骨は割れたガラスのように散り散りになり、周囲の脂肪と筋肉を傷つけ切り裂いた。<br> <br> 敬愛する読者どのへ。私がこれまで書き綴ってきた一連の出来事は、おそろしげに聞こえるかも知れない。肉と骨がこのような状態になった生き物の暮らしがどんなものか、想像もつかない事だろうと思う。また、肉体というものの脆さに対する理解の点でも、あなたが私の到達点を超える事は決してない。すでに私のMagickaに対する洞察は、ギルドのグランドマスターに匹敵している。しかしそれがどうした。そんな洞察など、この経験が私にもたらしてくれたより偉大な発見と比べれば、霞んでしまう程度のものでしかない。<br> <br> あなた方のような人々は苦痛を避けるべきものと考える。直視するのを避け、恐れる。私は苦悶と無感覚の繰り返しによって、苦痛を感じられなくなってしまった。私にはあなたにはこの言葉を贈る資格がある。苦痛とは単に人間の実存にとっての一因子であり、魂の仮住まいである肉体という名の貝殻の存在を我々に感じさせ、認識させるものであると。そして痛みこそ、神々が定命の人類に与え給うた最上の贈り物なのだと。<br> <br> この物語を書き写しで提供している事から想像できる通り、今や私は植物人間である。体液の染みた包帯に巻かれ、二度と楽しみを得る事もない。だが、それでもなお、私からあなたにはこう伝えなければならない。自分自身と向き合うのだ、と。<br> <br> Lord Sheograthに栄光あれ。主は開眼をもたらし給うた。 }}}}
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