Vanilla/Books/SKLxBlade5 のバックアップ差分(No.1)

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邦題 Sancre Torの戦
原題 The Battle of Sancre Tor
著者 不明
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第2紀852年、NordとBretonの同盟軍は、国境を越えてCyrodiilの内部に侵入して、Jerall山脈に於ける主要な山道と住居を占領した。冬期のSancre Torに本部を設置すると、その山岳要塞を襲撃しようというCuhlecain王の新将軍Talosに、Nord―Breton同盟軍は戦を挑んだ。
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Talos将軍が真冬に軍勢を召集してSancre Torを襲撃するため行軍してきていると知った時には、彼らは意気軒昂であった。Sancre Torは難攻不落であり、その要塞は眼下に街並が一望できる高い崖の上で高峰の窪地に収まっており、彼らの背後には登攀不能の険しい絶壁が聳えていた。
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Cyrodiil軍は、小軍であり、鍛錬と装備は貧弱であり、糧食は逼迫しており、冬期の作戦の準備に欠けていた。その貧相な諸部隊が要塞下の低地に集う傍ら、Nord―Breton同盟軍は「我が敵は自ら罠に陥るだろう」と自信満々に考えていた。
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要塞は、前方の登攀不能の断崖と後方の登攀不能の高台によって守られているのみならず、要塞のエントランスは、その高台の麓の窪地の中の巨大な山湖〔mountain lake〕の外観に於いて魔法の隠蔽が施されていた。そのため、Nord―Breton同盟軍は要塞の防衛を小軍に託して、凍えて飢えたCyrodiil軍を自身の面前で攻撃・制圧するため下方の通路を下って行った。CyrodiilのHeartlandsに対する春期の〔Nord―Breton同盟軍による〕急襲に対抗するための人員を1人も残さないように、Talos将軍の軍勢を打破・圧倒・殲滅できるものだろうと彼らは予想していた。
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こうして、Talos将軍はNord―Breton同盟軍の破滅を誘引したのである。
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守備を引き出すため貧弱な一軍を低地に残す傍ら、Talos将軍はSancre Tor要塞に背後から接近して、登攀不能と思われる要塞後方の高台を下って、魔法の隠蔽が施されていると思われる要塞内部に通ずるエントランスに侵入した。この特筆するべき偉業は、ある名も無き裏切者の手引によるものであると考えられている――伝承によれば、あるBretonの魔術師の変節漢が、要塞後方の高台を下り行く隠れた山道の存在を、そして、要塞のエントランスが幻の湖の水面の下部に隠蔽されているという秘密を共に暴露したのである。
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低地のCyrodiil軍がNord―Bretonの突撃に対して必死の防戦を行う傍ら、Talos将軍と彼の配下は要塞に侵入して、手薄の守備を排除して、Nord―Bretonの貴族と将軍を捕縛して、要塞と軍勢の放棄を彼らに強要した。困惑狼狽したNordの捕虜達は、かねてより策謀的魔術師のHigh Rock貴族層と彼らのHeartlands征服という過度の野望に疑念を抱いており、その同盟を破棄してTiber Septimに忠誠を誓った。Skyrimの将軍達は隊伍を組んでTiber Septimの軍勢に参入した。High Rockの戦闘魔術師の指揮官は即座に処刑されて、Bretonの捕虜達は投獄あるいは奴隷として売却された。
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こうして、一致協力した同盟軍によるCyrodiil侵略は潰えて、Talos将軍の軍勢はNordの頑健な精鋭部隊によって増大した。そして、その精鋭部隊は、 Talos将軍の一連の軍事行動(ColovianとNibeneanをCyrodiil帝国の中核に統合して、その結果、Talos将軍は皇帝Tiber Septimとして帝冠を戴いた)に於いて決定的役割を担ったのである。
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はるか自軍を上まわる多数を相手にして、守備を固めた真冬の山岳要塞に襲撃を仕掛けるというTiber Septimの大胆な戦術に、歴史家は驚嘆するものである。後年、Tiber Septimは、障害に打ち勝とうとする彼の不動の決意を、Reman3世の墳墓の〈諸王のアミュレット〉が見せた聖的幻視に感銘を受けたからであるとした。
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若き日のTalosは、実際のところ、「このCovenantの古の聖なるシンボルを取り戻し、そして、第3帝国の高位文明にTamrielを引き導くように自身は運命づけられている」という信念に感銘を受けたのかも知れない。そうであるとしても、これは、非常な劣勢に軍事的勝利を収めた彼の威勢と才能に対する我々の賞賛を、少しも減じるものではないはずである。


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