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Vanilla/Books/SKLxSpeechcraft3
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**訳文 [#w5695529] // 注意:訳文の部分は中括弧({と})が原文部分と異なり4つづつ。 #pre{{{{ <font face=1><br> Second_Seed(5月)<br> 2920年、第1紀最後の年<br> 第5巻<br> Carlovac_Townway著<br> <br> 2920年_Second_Seed_10日<br> Cyrodiil,_帝都にて<br> <br> <IMG src="Book/fancy_font/y_62x62.dds" width=62 height=62>our_Imperial_Majesty」(陛下)、Versidueは、彼の私室へ通じる扉を笑みと共に開けながら言う。「最近、お姿をあまり見かけませんでしたね。きっと……愛しのRijiaに熱を上げていたのでしょう?」<br> 「あいつなら、Mir_Corrupで風呂に浸かってるさ」怠そうに皇帝が答えた。<br> 「どうぞ、お入り下さい」自分の部屋へと彼を招き入れながら、Versidue。<br> 「……俺は、つまり、こう考えるようになった。信頼に足る人間は、お前と皇子とRijiaの三人だけである、と」すねたような口調で、「議会なんていうのは、スパイの溜まり場以外の何物でもないね」<br> 「何か厄介事でも? 陛下?」同情したように言って、部屋の分厚いカーテンを引く。すぐに、ホールに響く足音も、春の庭園に集う鳥のさえずりも聞こえなくなる。<br> 「Bodrumの戦で皇子が毒にやられた件なんだが、その犯人が分かった。Black_Marsh出身でOrma部族の一員である、毒殺を得意とする女暗殺者Catchicaだ。皇子よりも俺を狙いたかったのだろうが、それは上手くいかなかったようだな」苛立って言う。「議会によれば、奴を起訴するためには証拠が必要なんだとさ」<br> 「もちろん、議会はそう言うでしょう」思慮深げに答える。「もしも複数の者が犯行に関与していれば、特に、その中に議会のスパイが混ざっていれば……。ところで、陛下、私に考えがあるのですが」<br> 「何だね」せかせかと問う。「早く言ったらどうだい!」<br> 「議会には、この問題への関与を取り下げるように言うのです。その一方で、Catchicaに衛兵を付けて泳がせておきます。そうすれば、この謀略に誰が関係しているのか、どれだけの範囲のものなのか、はっきりするはずでしょう」<br> 「よし」満足げなしかめ面で、「この件は最重要課題だ。この謀略の首謀者の首の根を必ず取り押さえてみせよう」<br> 「仰せのままに、陛下」にっこりと笑ってカーテンを開くと、皇帝も彼の部屋を立ち去った。皇帝が部屋から出ると、廊下の途中でSavirienに会って会釈される。そして、そのままSavirienは、入れ違いにVersidueの部屋へと入って行った。<br> 「父上、何か問題でも?」Savirienはささやく。「陛下が暗殺者を見付けたとか」<br> 「Savirien、優れた話術というものは、だな」彼は息子に向かって言った。「相手が望むものを交換することなんだぞ。さて、私がお前にしてもらいたいことは、だ。Catchicaに手紙を届けて、次の事を奴に叩き込んで欲しい。つまり、こちらの指示に従わなければ、我々よりもリスクを背負ってもらうということだ」<br> <br> 2920年_Second_Seed_13日<br> Cyrodiil,_Mir_Corrupにて<br> <br> Rijiaは、豊潤な春を感じつつ身を浴槽に深く沈めていた。まるで何百万もの小石で擦られているかのように、肌がちくちくと感じられる。頭上の岩棚は霧雨を弾いていたが、幾重にも重なった暖かな陽光は、木々の間から彼女の方に差し込んでいた。それは牧歌的な生活に於ける牧歌的な瞬間であり、このとき、彼女は自身に美が満ちていくのを感じているのだった。ただ、彼女は水が飲みたかった。この白亜製の浴槽は芳香に溢れていたが、飲み物は置いていないのだ。<br> 「水を!」彼女は召使を呼び付けた。「水を持って来て頂戴!」<br> すると、目をすっぽりとボロ切れで覆った痩身の女が現れて、ヤギ革の袋に入った水を滴らせながら持って来た。そうしてボロ切れで目を隠せば誰か分からないだろうが、しかし、その上品ぶった格好にRijiaは――自分は何も身にまとっていないのに――笑い出しそうになってしまった。だが、よくよくボロ切れのひだを覗くと、その女には全く目というものが無いのである。「そう言えば、これは」とRijiaは思う。「確か、Orma部族の特徴だったはず」しかし、実際には、その部族の者に会ったことは無い。聞くところによれば、彼らには生まれ付き目が存在せず、他の感覚を存分に働かせて生活しているのだという。「きっとMir_Corrup公が新しく異国の召使を雇ったのだろう」彼女はそう考えることにした。<br> 革袋を置いて召使が立ち去ると、すぐに、その召使のことは彼女の頭から消え失せて、代わりに、春のうららかな陽と喉の渇きがやって来た。しかし、受け取った革袋のコルクを抜くと、満たされた液体から奇妙な金臭い匂いが立ち昇っているのだ。不意に、彼女は気配を感じた。<br> 「Rijia様」ぬうっと物陰から帝国の衛兵隊長が現れる。「そうだったのですか……あなたはCatchicaと密通していたのですね?」<br> 「そんな人のこと、私は知りません」憤慨するより先に呆然として言った。「ここで何をしているのです? いやらしい目付きで見ないで頂戴」<br> 「『そんな人のこと、私は知りません』ですか? しかし、我々には、とても数分間に初めて会った風には見えませんでしたがね」そう言うと、隊長は革袋を摘み上げて中身を嗅いでみる。「ふむ、neivousなイコールのようだ。Catchicaからこれを受け取って、それで陛下を毒殺しようとした。違いますか?」<br> 「隊長」一人の衛兵が彼の元に駆けて来て、「あのArgonianの姿を見失ってしまいました。Catchicaの奴、まるで森に溶け込んだみたいに……」<br> 「ふむ。まぁ、いい」隊長は答えた。「それは、さして重要ではない。こうして密約の現場を取り押さえられたのだからな。陛下も、必ずやお喜びになられることだろう。おい、この女を捕縛しろ」<br> 一糸まとわぬ姿で身もだえしながら浴槽から引きずり出されつつ、「無実よ! そんなこと何も知らないし、何もやってないわ! 陛下に頸を刎ねてもらいなさい!」<br> 「ええ、そうしてもらいますよ」隊長は笑んで答えた。「陛下があなたの言うことを信じるならば、ね」<br> <br> 2920年_Second_Seed_21日<br> Black_Marsh,_Gideonにて<br> <br> 《雌豚と禿鷹》亭はいかがわしい飲み屋であり、Zuukが仲間内で飲む時のひいきでもあった。彼と仲間の他には、老練な船乗りが二人、薄暗い部屋の中でグラスを傾けている。酒に気を取られて、Zuuk達が入って来たことにも気付いていない様子だ。ろくに磨かれていない煤けた床は雌豚を思わせ、ぼんやりと差し込む陽は宙に漂う多くの埃を映し出している。<br> 「激しい戦闘の経験は?」Zuukは切り出した。「報酬もたんまり、危険もたんまり、っていう仕事なんですがね」<br> 「確かに、激しい戦闘の経験はあるぜ」横柄にMiramorは答えた。「ちょうど二ヶ月前、俺は、あのBodrumの戦に出てたんだからな。……それで、その仕事とやらはこうなんだな? お前が指定した日時に、最小限の護衛を付けた皇帝一行がDozsa道を通る。そこで、俺はそいつらを襲う、と。ところで、皇帝連中に変装させないようにしてくれよ。通る奴らを片端から殺すのは御免だからな」<br> Zuukの微笑む顔に、Miramorは自分の表情を見ていた。ZuukらKothringiの部族の人々は、光を反射する肌を持っているのだ。Miramorは、その自信たっぷりな自身の顔付きに満足していた。<br> 「そう」Zuukは答えた。「残りの金は成功した後です」<br> そして、Zuukは机に金貨入りの大きな箱を置くと、席を立った。<br> 「しばらく此処を動かないで下さい」Zuukは言う。「私の後を付けようなんて気を起こさないで下さいね。依頼主は名前を知られるのを恐れています。もしも貴方が捕まって拷問にかけられたら、あちらにも火の粉が飛んでしまいますからね」<br> 「了解」そう返すと、強い酒のお代わりを注文する。<br> 店を出たZuukは、Gideonの街を馬に乗って駆けて行く。この街の通りは窮屈に入り組んでいるので、街の外に通じる門をくぐったとき、彼も彼の馬も喜んだ。そこからGiovese城に向かうのだが、春には、その城に通じている道は水浸しになってしまっているのである。しかし、彼は城への近道として丘を越えるルート――木々の下を駆けて行くと、不意にコケや泥の付いた岩が落ちて来るので注意が必要だが――を知っていたので、二時間で城門に到着することが出来た。皇后の監禁室は高い塔の頂上にあるのだが、彼はそこまで上っていく時間を無駄にしたくなかった。<br> 「Miramorとやらの印象はどうでした?」そこへ、言葉が降って来た。<br> 「愚か者です」Zuukが返す。「しかし、我々の課する任務には適任でしょう」<br> <br> 2920年_Second_Seed_30日<br> Cyrodiil,_Thurzo要塞にて<br> <br> Rijiaは叫びを叫びに叫んでいた。しかし、彼女の独房にあってその叫びを聞いているのは、コケの生した、しかし頑丈にして堅固である四方の壁のみである。外に居る衛兵達は、他の囚人に対してもそうであるように、決して彼女の声に耳を貸そうとはしない。此処から何マイルも離れた帝都の皇帝も、やはり彼女の無実の訴えを聞くことは出来ないのだった。<br> 「もう再び、誰も私の声を聞くことは無いのだろう」叫びつつも、彼女はそう確信していたのである。<br> <br> 2920年_Second_Seed_31日<br> Cyrodiil,_Kavas_Rim道<br> <br> ここ何日も何週間も、TuralaはCyrodiilやDunmerたちの顔を見ていない。周囲には人っ子一人おらず、「本当にここは帝国中心地のCyrodiilだろうか?」歩きながら、そんなことすら考える始末である。「まだValenwoodの鬱蒼とした森の方が、このHeartland森よりも人気があるだろうに」<br> 彼女は思い返してみる。「MorrowindからCyrodiilへの国境を抜けたのは、一ヶ月前? それとも二ヶ月前?」その頃のことは、とにかく寒かったことしか覚えていない。国境の兵隊達は無愛想ではあったけれど、彼女が武器を持っていないことが分かると、すぐに通してくれた。それから彼女はこうして歩き続けて、時には幾つかの商隊も見たし、野営している冒険者に食事を分けてもらったりもした。しかし、彼女を馬に乗せて街まで連れて行ってくれる人は居なかった。<br> 春の陽気に、ショールを脱いで腰から垂らす。不意に、後ろで誰かが呼んだような気がして振り返ってみる。しかし、誰も居ない。ただ、枝に止まった鳥が笑い声を立てているだけだった。<br> 肩を落として前を向いたそのとき、腹に何か突っ張るものを感じた。お腹の中の赤ちゃんが彼女を蹴ったのだ。しかも、痙攣の類ではない。低く呻き声を上げながら、道を外れて草むらに倒れ込む。赤ちゃんが生まれようとしているのだ。<br> 背を下にして、身を横たえたまま力んでみる。しかし、出てくるのは痛みと鬱憤が固まった涙ばかりである。「これを何時まで続ければいいの?」やりきれない気持だった。「こんな荒野でたったひとり。どうしてDukeは助けてくれないの!?」彼女の痛みと怒りは叫びになって、枝に止まった鳥さえも震わせた。<br> 一際その鳥の笑い声が高くなったかと思うと、それは道の真ん中に降り立つ。そして、次の瞬間、彼女は目を見開いてしまった。何と、その鳥が急に裸のElf男性に変わったからである。しかし、彼の肌はDunmerのように黒くも無かったし、Altmerのように青白くもなかった。それは、彼女もAyleidで一度だけ見たことがあるWild_Elfだったのである。Turalaはその姿を見て叫びを上げたが、そんなものには意を介さず、彼は彼女の上に覆い被さる。数分の抵抗の後、安らかな気持を覚えつつ、彼女の気は遠くなっていった。<br> 赤ん坊の泣き声で、彼女は目を覚ます。傍らには、出産での汚れを拭き取られた赤ちゃんが寝転んでいる。その女の子を愛しそうに抱き上げると、この年で初めての嬉し涙を赤ん坊の頬に落とした。<br> 「ありがとう」傍らの木に向かってそうささやくと、腕に抱えた赤ちゃんと共に西へ続く道を歩き始めた。<br> <br> 1年はMid_Year(6月)へと続いてゆく。<br> }}}}
//=================================== // Format_ver:0.0.1 (2008-01-01) // // 【解説】 // ・この部分は書物翻訳時に自動的に読み込まれるテンプレート記載のヘッダです。 // ・翻訳ページ作成時も削除しない事を推奨します // // 【記述ガイド】 // ・#preの後の中括弧({と})のセット間に原文/訳文をタグが付いたまま // コピペすると編集上も表示上も便利です // // 【注意】 // ・本文部分を囲む#pre記述ですが、原文と訳文を囲む中括弧は // 『原文は3つづつ、訳文は4つづつ』 // になっている事に注意して下さい。これはMod作成時に // 正規表現で本文(訳文)を抽出するのに便利故です。 // ・訳文で半角スペースを表現したいときはアンダースコア(_)に置き換えてください // ・半角スペースを記述するとそこで改行扱いになるので注意して下さい // ・新しい訳を行う場合は古い訳の下に同じ書式で加えていくようにして下さい // ・翻訳未完時は、 【訳文記述エリア】 という文字列を残して置いて下さい(プログラム処理用) //=================================== *題名 [#qb9a96fc] **原題 [#l75898f0] -2920, Second Seed (v5) **訳題 [#y175c1ff] -【訳題記述エリア】 *本文 [#a4bb8329] **原文 [#q28edb79] // 注意:訳文の部分は中括弧({と})が3つづつ。 #pre{{{ <font face=1><br> Second Seed<br> Book Five of 2920, <br> The Last Year of the First Era<br> by Carlovac Townway<br> <br> 10 Second Seed, 2920<br> The Imperial City, Cyrodiil<br> <br> <IMG src="Book/fancy_font/y_62x62.dds" width=62 height=62>our Imperial Majesty," said the Potentate Versidue-Shaie, opening the door to his chamber with a smile. "I have not seen you lately. I thought perhaps you were ... indisposed with the lovely Rijja."<br> <br> "She's taking the baths at Mir Corrup," the Emperor Reman III said miserably.<br> <br> "Please, come in."<br> <br> "I've reached the stage where I can only trust three people: you, my son the Prince, and Rijja," said the Emperor petulantly. "My entire council is nothing but a pack of spies."<br> <br> "What seems to be the matter, your imperial majesty?" asked the Potentate Versidue-Shaie sympathetically, drawing closed the thick curtain in his chamber. Instantly all sound outside the room was extinguished, echoing footsteps in the marble halls and birds in the springtide gardens.<br> <br> "I've discovered that a notorious poisoner, an Orma tribeswoman from Black Marsh called Catchica, was with the army at Caer Suvio while we were encamped there when my son was poisoned, before the battle at Bodrum. I'm sure she would have preferred to kill me, but the opportunity didn't present itself," The Emperor fumed. "The Council suggests that we need evidence of her involvement before we prosecute."<br> <br> "Of course they would," said the Potentate thoughtfully. "Particularly if one or more of them was in on the plot. I have a thought, your imperial majesty."<br> <br> "Yes?" said Reman impatiently. "Out with it!"<br> <br> "Tell the Council you're dropping the matter, and I will send out the Guard to track this Catchica down and follow her. We will see who her friends are, and perhaps get an idea of the scope of this plot on your imperial majesty's life."<br> <br> "Yes," said Reman with a satisfied frown. "That's a capital plan. We will track this scheme to whomever it leads to."<br> <br> "Decidedly, your imperial majesty," smiled the Potentate, parting the curtain so the Emperor could leave. In the hallway outside was Versidue-Shaie's son, Savirien-Chorak. The boy bowed to the Emperor before entering the Potentate's chamber.<br> <br> "Are you in trouble, father?" whispered the Akaviri lad. "I heard the Emperor found out about whatshername, the poisoner."<br> <br> "The great art of speechcraft, my boy," said Versidue-Shaie to his son. "Is to tell them what they want to hear in a way that gets them to do what you want them to do. I need you to get a letter to Catchica, and make certain that she understands that if she does not follow the instructions perfectly, she is risking her own life more than ours."<br> <br> <br> 13 Second Seed, 2920<br> Mir Corrup, Cyrodiil<br> <br> Rijja sank luxuriantly into the burbling hot spring, feeling her skin tingle like it was being rubbed by millions of little stones. The rock shelf over her head sheltered her from the misting rain, but let all the sunshine in, streaming in layers through the branches of the trees. It was an idyllic moment in an idyllic life, and when she was finished she knew that her beauty would be entirely restored. The only thing she needed was a drink of water. The bath itself, while wonderfully fragrant, tasted always of chalk.<br> <br> "Water!" she cried to her servants. "Water, please!"<br> <br> A gaunt woman with rags tied over her eyes ran to her side and dropped a goatskin of water. Rijja was about to laugh at the woman's prudery -- she herself was not ashamed of her naked body -- but then she noticed through a crease in the rags that the old woman had no eyes at all. She was like one of those Orma tribesmen Rijja had heard about, but never met. Born without eyes, they were masters of their other senses. The Lord of Mir Corrup hired very exotic servants, she thought to herself.<br> <br> In a moment, the woman was gone and forgotten. Rijja found it very hard to concentrate on anything but the sun and the water. She opened the cork, but the liquid within had a strange, metallic smell to it. Suddenly, she was aware that she was not alone.<br> <br> "Lady Rijja," said the captain of the Imperial Guard. "You are, I see, acquainted with Catchica?"<br> <br> "I've never heard of her," stammered Rijja before becoming indignant. "What are you doing here? This body is not for your leering eyes."<br> <br> "Never heard of her, when we saw her with you not a minute ago," said the captain, picking up the goatskin and smelling it. "Brought you neivous ichor, did she? To poison the Emperor with?"<br> <br> "Captain," said one of the guards, running up to him quickly. "We cannot find the Argonian. It is as if she disappeared into the woods."<br> <br> "Yes, they're good at that," said the captain. "No matter though. We've got her contact at court. That should please his Imperial Majesty. Seize her."<br> <br> As the guards pulled the writhing naked woman from the pool, she screamed, "I'm innocent! I don't know what this is all about, but I've done nothing! The Emperor will have your heads for this!"<br> <br> "Yes, I imagine he will," smiled the captain. "If he trusts you."<br> <br> <br> 21 Second Seed, 2920<br> Gideon, Black Marsh<br> <br> The Sow and Vulture tavern was the sort of out-of-the-way place that Zuuk favored for these sorts of interviews. Besides himself and his companion, there were only a couple of old seadogs in the shadowy room, and they were more unconscious from drink than aware. The grime of the unwashed floor was something you felt rather than saw. Copious dust hung in the air unmoving in the sparse rays of dying sunlight.<br> <br> "You have experience in heavy combat?" asked Zuuk. "The reward is good for this assignment, but the risks are great as well."<br> <br> "Certainly I have combat experience," replied Miramor haughtily. "I was at the Battle of Bodrum just two months ago. If you do your part and get the Emperor to ride through Dozsa Pass with a minimal escort on the day and the time we've discussed, I'll do my part. Just be certain that he's not traveling in disguise. I'm not going to slaughter every caravan that passes through in the hopes that it contains Emperor Reman."<br> <br> Zuuk smiled, and Miramor looked at himself in the Kothringi's reflective face. He liked the way he looked: the consummate confident professional.<br> <br> "Agreed," said Zuuk. "And then you shall have the rest of your gold."<br> <br> Zuuk placed the large chest onto the table between them. He stood up.<br> <br> "Wait a few minutes before leaving," said Zuuk. "I don't want you following me. Your employers wish to maintain their anonymity, if by chance you are caught and tortured."<br> <br> "Fine by me," said Miramor, ordering more grog.<br> <br> Zuuk rode his mount through the cramped labyrinthine streets of Gideon, and both he and his horse were happy to pass through the gates into the country. The main road to Castle Giovese was flooded as it was every year in springtide, but Zuuk knew a shorter way over the hills. Riding fast under trees drooping with moss and treacherous slime-coated rocks, he arrived at the castle gates in two hours' time. He wasted no time in climbing to Tavia's cell at the top of the highest tower.<br> <br> "What did you think of him?" asked the Empress.<br> <br> "He's a fool," replied Zuuk. "But that's what we want for this sort of assignment."<br> <br> <br> 30 Second Seed, 2920<br> Thurzo Fortress, Cyrodiil<br> <br> Rijja screamed and screamed and screamed. Within her cell, her only audience was the giant gray stones, crusted with moss but still sturdy. The guards outside were deaf to her as they were deaf to all prisoners. The Emperor, miles away in the Imperial City, had likewise been deaf to her cries of innocence.<br> <br> She screamed knowing well that no one would likely hear her ever again.<br> <br> <br> 31 Second Seed, 2920<br> Kavas Rim Pass, Cyrodiil<br> <br> It had been days, weeks since Turala had seen another human face, Cyrodiil or Dunmer. As she trod the road, she thought to herself how strange it was that such an uninhabited place as Cyrodiil had become the Imperial Province, seat of an Empire. Even the Bosmer in Valenwood must have more populated forests than this Heartland wood.<br> <br> She thought back. Was it a month ago, two, when she crossed the border from Morrowind into Cyrodiil? It had been much colder then, but other than that, she had no sense of time. The guards had been brusque, but as she was carrying no weaponry, they elected to let her through. Since then, she had seen a few caravans, even shared a meal with some adventurers camping for the night, but met no one who would give her a ride to a town.<br> <br> Turala stripped off her shawl and dragged it behind her. For a moment, she thought she heard someone behind her and spun around. No one was there. Just a bird perched on a branch making a sound like laughter.<br> <br> She walked on, and then stopped. Something was happening. The child had been kicking in her belly for some time now, but this was a different kind of spasm. With a groan, she lurched over to the side of the path, collapsing into the grass. Her child was coming.<br> <br> She lay on her back and pushed, but she could barely see with her tears of pain and frustration. How had it come to this? Giving birth in the wilderness, all by herself, to a child whose father was the Duke of Mournhold? Her scream of rage and agony shook the birds from the trees.<br> <br> The bird that had been laughing at her earlier flew down to the road. She blinked, and the bird was gone and in its place, a naked Elf man stood, not as dark as a Dunmer, but not as pale as the Altmer. She knew at once it was an Ayleid, a Wild Elf. Turala screamed, but the man held her down. After a few minutes of struggle, she felt a release, and then fainted away.<br> <br> When she awoke, it was to the sound of a baby crying. The child had been cleaned and was lying by her side. Turala picked up her baby girl, and for the first time that year, felt tears of happiness stream down her face.<br> <br> She whispered to the trees, "Thank you" and began walking with babe in her arms down the road to the west.<br> <br> <br> The Year Is Continued in Mid Year.<br> <br> }}} **訳文 [#w5695529] // 注意:訳文の部分は中括弧({と})が原文部分と異なり4つづつ。 #pre{{{{ <font face=1><br> Second_Seed(5月)<br> 2920年、第1紀最後の年<br> 第5巻<br> Carlovac_Townway著<br> <br> 2920年_Second_Seed_10日<br> Cyrodiil,_帝都にて<br> <br> <IMG src="Book/fancy_font/y_62x62.dds" width=62 height=62>our_Imperial_Majesty」(陛下)、Versidueは、彼の私室へ通じる扉を笑みと共に開けながら言う。「最近、お姿をあまり見かけませんでしたね。きっと……愛しのRijiaに熱を上げていたのでしょう?」<br> 「あいつなら、Mir_Corrupで風呂に浸かってるさ」怠そうに皇帝が答えた。<br> 「どうぞ、お入り下さい」自分の部屋へと彼を招き入れながら、Versidue。<br> 「……俺は、つまり、こう考えるようになった。信頼に足る人間は、お前と皇子とRijiaの三人だけである、と」すねたような口調で、「議会なんていうのは、スパイの溜まり場以外の何物でもないね」<br> 「何か厄介事でも? 陛下?」同情したように言って、部屋の分厚いカーテンを引く。すぐに、ホールに響く足音も、春の庭園に集う鳥のさえずりも聞こえなくなる。<br> 「Bodrumの戦で皇子が毒にやられた件なんだが、その犯人が分かった。Black_Marsh出身でOrma部族の一員である、毒殺を得意とする女暗殺者Catchicaだ。皇子よりも俺を狙いたかったのだろうが、それは上手くいかなかったようだな」苛立って言う。「議会によれば、奴を起訴するためには証拠が必要なんだとさ」<br> 「もちろん、議会はそう言うでしょう」思慮深げに答える。「もしも複数の者が犯行に関与していれば、特に、その中に議会のスパイが混ざっていれば……。ところで、陛下、私に考えがあるのですが」<br> 「何だね」せかせかと問う。「早く言ったらどうだい!」<br> 「議会には、この問題への関与を取り下げるように言うのです。その一方で、Catchicaに衛兵を付けて泳がせておきます。そうすれば、この謀略に誰が関係しているのか、どれだけの範囲のものなのか、はっきりするはずでしょう」<br> 「よし」満足げなしかめ面で、「この件は最重要課題だ。この謀略の首謀者の首の根を必ず取り押さえてみせよう」<br> 「仰せのままに、陛下」にっこりと笑ってカーテンを開くと、皇帝も彼の部屋を立ち去った。皇帝が部屋から出ると、廊下の途中でSavirienに会って会釈される。そして、そのままSavirienは、入れ違いにVersidueの部屋へと入って行った。<br> 「父上、何か問題でも?」Savirienはささやく。「陛下が暗殺者を見付けたとか」<br> 「Savirien、優れた話術というものは、だな」彼は息子に向かって言った。「相手が望むものを交換することなんだぞ。さて、私がお前にしてもらいたいことは、だ。Catchicaに手紙を届けて、次の事を奴に叩き込んで欲しい。つまり、こちらの指示に従わなければ、我々よりもリスクを背負ってもらうということだ」<br> <br> 2920年_Second_Seed_13日<br> Cyrodiil,_Mir_Corrupにて<br> <br> Rijiaは、豊潤な春を感じつつ身を浴槽に深く沈めていた。まるで何百万もの小石で擦られているかのように、肌がちくちくと感じられる。頭上の岩棚は霧雨を弾いていたが、幾重にも重なった暖かな陽光は、木々の間から彼女の方に差し込んでいた。それは牧歌的な生活に於ける牧歌的な瞬間であり、このとき、彼女は自身に美が満ちていくのを感じているのだった。ただ、彼女は水が飲みたかった。この白亜製の浴槽は芳香に溢れていたが、飲み物は置いていないのだ。<br> 「水を!」彼女は召使を呼び付けた。「水を持って来て頂戴!」<br> すると、目をすっぽりとボロ切れで覆った痩身の女が現れて、ヤギ革の袋に入った水を滴らせながら持って来た。そうしてボロ切れで目を隠せば誰か分からないだろうが、しかし、その上品ぶった格好にRijiaは――自分は何も身にまとっていないのに――笑い出しそうになってしまった。だが、よくよくボロ切れのひだを覗くと、その女には全く目というものが無いのである。「そう言えば、これは」とRijiaは思う。「確か、Orma部族の特徴だったはず」しかし、実際には、その部族の者に会ったことは無い。聞くところによれば、彼らには生まれ付き目が存在せず、他の感覚を存分に働かせて生活しているのだという。「きっとMir_Corrup公が新しく異国の召使を雇ったのだろう」彼女はそう考えることにした。<br> 革袋を置いて召使が立ち去ると、すぐに、その召使のことは彼女の頭から消え失せて、代わりに、春のうららかな陽と喉の渇きがやって来た。しかし、受け取った革袋のコルクを抜くと、満たされた液体から奇妙な金臭い匂いが立ち昇っているのだ。不意に、彼女は気配を感じた。<br> 「Rijia様」ぬうっと物陰から帝国の衛兵隊長が現れる。「そうだったのですか……あなたはCatchicaと密通していたのですね?」<br> 「そんな人のこと、私は知りません」憤慨するより先に呆然として言った。「ここで何をしているのです? いやらしい目付きで見ないで頂戴」<br> 「『そんな人のこと、私は知りません』ですか? しかし、我々には、とても数分間に初めて会った風には見えませんでしたがね」そう言うと、隊長は革袋を摘み上げて中身を嗅いでみる。「ふむ、neivousなイコールのようだ。Catchicaからこれを受け取って、それで陛下を毒殺しようとした。違いますか?」<br> 「隊長」一人の衛兵が彼の元に駆けて来て、「あのArgonianの姿を見失ってしまいました。Catchicaの奴、まるで森に溶け込んだみたいに……」<br> 「ふむ。まぁ、いい」隊長は答えた。「それは、さして重要ではない。こうして密約の現場を取り押さえられたのだからな。陛下も、必ずやお喜びになられることだろう。おい、この女を捕縛しろ」<br> 一糸まとわぬ姿で身もだえしながら浴槽から引きずり出されつつ、「無実よ! そんなこと何も知らないし、何もやってないわ! 陛下に頸を刎ねてもらいなさい!」<br> 「ええ、そうしてもらいますよ」隊長は笑んで答えた。「陛下があなたの言うことを信じるならば、ね」<br> <br> 2920年_Second_Seed_21日<br> Black_Marsh,_Gideonにて<br> <br> 《雌豚と禿鷹》亭はいかがわしい飲み屋であり、Zuukが仲間内で飲む時のひいきでもあった。彼と仲間の他には、老練な船乗りが二人、薄暗い部屋の中でグラスを傾けている。酒に気を取られて、Zuuk達が入って来たことにも気付いていない様子だ。ろくに磨かれていない煤けた床は雌豚を思わせ、ぼんやりと差し込む陽は宙に漂う多くの埃を映し出している。<br> 「激しい戦闘の経験は?」Zuukは切り出した。「報酬もたんまり、危険もたんまり、っていう仕事なんですがね」<br> 「確かに、激しい戦闘の経験はあるぜ」横柄にMiramorは答えた。「ちょうど二ヶ月前、俺は、あのBodrumの戦に出てたんだからな。……それで、その仕事とやらはこうなんだな? お前が指定した日時に、最小限の護衛を付けた皇帝一行がDozsa道を通る。そこで、俺はそいつらを襲う、と。ところで、皇帝連中に変装させないようにしてくれよ。通る奴らを片端から殺すのは御免だからな」<br> Zuukの微笑む顔に、Miramorは自分の表情を見ていた。ZuukらKothringiの部族の人々は、光を反射する肌を持っているのだ。Miramorは、その自信たっぷりな自身の顔付きに満足していた。<br> 「そう」Zuukは答えた。「残りの金は成功した後です」<br> そして、Zuukは机に金貨入りの大きな箱を置くと、席を立った。<br> 「しばらく此処を動かないで下さい」Zuukは言う。「私の後を付けようなんて気を起こさないで下さいね。依頼主は名前を知られるのを恐れています。もしも貴方が捕まって拷問にかけられたら、あちらにも火の粉が飛んでしまいますからね」<br> 「了解」そう返すと、強い酒のお代わりを注文する。<br> 店を出たZuukは、Gideonの街を馬に乗って駆けて行く。この街の通りは窮屈に入り組んでいるので、街の外に通じる門をくぐったとき、彼も彼の馬も喜んだ。そこからGiovese城に向かうのだが、春には、その城に通じている道は水浸しになってしまっているのである。しかし、彼は城への近道として丘を越えるルート――木々の下を駆けて行くと、不意にコケや泥の付いた岩が落ちて来るので注意が必要だが――を知っていたので、二時間で城門に到着することが出来た。皇后の監禁室は高い塔の頂上にあるのだが、彼はそこまで上っていく時間を無駄にしたくなかった。<br> 「Miramorとやらの印象はどうでした?」そこへ、言葉が降って来た。<br> 「愚か者です」Zuukが返す。「しかし、我々の課する任務には適任でしょう」<br> <br> 2920年_Second_Seed_30日<br> Cyrodiil,_Thurzo要塞にて<br> <br> Rijiaは叫びを叫びに叫んでいた。しかし、彼女の独房にあってその叫びを聞いているのは、コケの生した、しかし頑丈にして堅固である四方の壁のみである。外に居る衛兵達は、他の囚人に対してもそうであるように、決して彼女の声に耳を貸そうとはしない。此処から何マイルも離れた帝都の皇帝も、やはり彼女の無実の訴えを聞くことは出来ないのだった。<br> 「もう再び、誰も私の声を聞くことは無いのだろう」叫びつつも、彼女はそう確信していたのである。<br> <br> 2920年_Second_Seed_31日<br> Cyrodiil,_Kavas_Rim道<br> <br> ここ何日も何週間も、TuralaはCyrodiilやDunmerたちの顔を見ていない。周囲には人っ子一人おらず、「本当にここは帝国中心地のCyrodiilだろうか?」歩きながら、そんなことすら考える始末である。「まだValenwoodの鬱蒼とした森の方が、このHeartland森よりも人気があるだろうに」<br> 彼女は思い返してみる。「MorrowindからCyrodiilへの国境を抜けたのは、一ヶ月前? それとも二ヶ月前?」その頃のことは、とにかく寒かったことしか覚えていない。国境の兵隊達は無愛想ではあったけれど、彼女が武器を持っていないことが分かると、すぐに通してくれた。それから彼女はこうして歩き続けて、時には幾つかの商隊も見たし、野営している冒険者に食事を分けてもらったりもした。しかし、彼女を馬に乗せて街まで連れて行ってくれる人は居なかった。<br> 春の陽気に、ショールを脱いで腰から垂らす。不意に、後ろで誰かが呼んだような気がして振り返ってみる。しかし、誰も居ない。ただ、枝に止まった鳥が笑い声を立てているだけだった。<br> 肩を落として前を向いたそのとき、腹に何か突っ張るものを感じた。お腹の中の赤ちゃんが彼女を蹴ったのだ。しかも、痙攣の類ではない。低く呻き声を上げながら、道を外れて草むらに倒れ込む。赤ちゃんが生まれようとしているのだ。<br> 背を下にして、身を横たえたまま力んでみる。しかし、出てくるのは痛みと鬱憤が固まった涙ばかりである。「これを何時まで続ければいいの?」やりきれない気持だった。「こんな荒野でたったひとり。どうしてDukeは助けてくれないの!?」彼女の痛みと怒りは叫びになって、枝に止まった鳥さえも震わせた。<br> 一際その鳥の笑い声が高くなったかと思うと、それは道の真ん中に降り立つ。そして、次の瞬間、彼女は目を見開いてしまった。何と、その鳥が急に裸のElf男性に変わったからである。しかし、彼の肌はDunmerのように黒くも無かったし、Altmerのように青白くもなかった。それは、彼女もAyleidで一度だけ見たことがあるWild_Elfだったのである。Turalaはその姿を見て叫びを上げたが、そんなものには意を介さず、彼は彼女の上に覆い被さる。数分の抵抗の後、安らかな気持を覚えつつ、彼女の気は遠くなっていった。<br> 赤ん坊の泣き声で、彼女は目を覚ます。傍らには、出産での汚れを拭き取られた赤ちゃんが寝転んでいる。その女の子を愛しそうに抱き上げると、この年で初めての嬉し涙を赤ん坊の頬に落とした。<br> 「ありがとう」傍らの木に向かってそうささやくと、腕に抱えた赤ちゃんと共に西へ続く道を歩き始めた。<br> <br> 1年はMid_Year(6月)へと続いてゆく。<br> }}}}
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